ソリューション事例

case study

世界的ゲームクリエイターの中国進出を支援。THE H独自の提案とは

JP GAMES株式会社

サービス:越境EC強化支援

インタビュー

世界的なゲームクリエイターであり、2019年に設立したJP GAMES株式会社(以下、「JP GAMES」)の代表取締役である田畑端氏。

今年は、世界初の公式パラリンピックゲーム『The Pegasus Dream Tour』(ザ ペガサス ドリーム ツアー)のリリースで注目を集めているところですが、中国では個人としても厚い支持を得ているのだとか。

田畑氏の中国進出をプロデュースしたのが株式会社THE H(以下「THE H」)。この記事では、田畑氏とTHE H 濱の対談をレポート。中国進出プロジェクトの足跡や今後の展望についてお話しいただきました。

THE H独自の手法で中国進出をプロデュース

今回は、THE Hとタッグを組んで進めている田畑さんの中国進出プロジェクトについてお伺いします。改めて、本プロジェクトの概要について教えてください。

田畑様:
「中国進出についてはJP GAMESを立ち上げた2019年2月から視野に入れていました。
中国事情に明るいパートナーを探していたときに、知人を介して濱さんを紹介してもらって本格的に開始したところです。
ゲーム業界はビッグタイトルを作るのに時間がかかり、頻繁に発信できるコンテンツがそこまで多くありません。そこで濱さんから提案されたのは、まずは私個人の知名度を上げることでした。本プロジェクトでは、ゲームクリエイターと経営者の2つの顔を持つ人間として情報を発信しているところです。」

代表 濱:
「本プロジェクトは、中国のメディアを複合的に使ったデザイン設計となっています。(下図参照)
具体的には、田畑さんに関する情報を中国の大手メディア15社以上に掲載、微博(weibo、新浪公司社が運営している中国版Twittter)の運用、百度百科(BAIDU社が運営している中国版Wikipedia)の情報を充実させることです。
プレスリリースを打ってその内容をweiboで拡散し、百度百科に実績として追加する。このサイクルを繰り返し続けてweiboのフォロワーを増やし、知名度を高めるねらいがあります。」

中国版SNSのレクチャーから情報発信のタイミングまで深く議論

本プロジェクトを進める上でどんな点にこだわりましたか。

田畑様:
「まずは、中国のSNSについて理解を深めることに努めました。一個人として中国向けに情報を発信するのは初めてだったので知らないことが多かったですが、濱さんは丁寧にレクチャーしてくれたので非常に進めやすかったですね。 また、情報発信のタイミングと自身の自然で等身大なスタンスについてかなりこだわりました。 」

代表 濱:
「たしかに、「なぜ、このタイミングで発信するのか」と再三問われましたね。これまでご一緒したクライアント様は、「中国事業はTHE Hに全て任せる」というケースが多かったですが、今回は開始までに時間をかけて議論を重ねた記憶があります。」

田畑様:
「情報発信は目的の達成において重要な役割を担うので「いつ何をすれば、効果を最大化できるか」ということは常に頭に意識しています。」

代表 濱:
「本プロジェクトを進める中で、経営者・田畑さんとしてのスピード感と高い戦略力には本当に魅せられましたね。KPIに沿って事業を行い、改良を続ける姿勢には、私自身も勉強させてもらいました。」

田畑様:
「濱さんの言うとおり、クリエイターだけではなく、経営者の顔も見せる発信の方が今は自然と思っていまして。こちらの希望を汲み取ってもらいながら議論を深められたので、効率的に成果を出せている実感があります。」

代表 濱:
「田畑さんのスタンスやこだわりにしっかり向き合ったので、中国にルーツを持つ人間の中では、一番田畑さんについて知っている自信があります。(笑)」

スピード感を持って説得力のあるアイディアを提案

THE Hに依頼してよかった点を教えてください。

田畑様:
「濱さんのスピード感、提案力が抜群でした。さらに弊社のPRチームと一体となってコミュニケーションがとれていたので、安心してお任せできましたね。
また、濱さんの提案には全て説得力がありました。初見で「ちょっと違うかな…」と感じた案でも、話を聞けば納得いくものばかりだったので。 新しいアイディアを求めれば、レベル感の異なる案を数パターン提示してもらえたので、選択肢の多さに助けられました。
こちらの目的は変えずに、分析や試験的なことも含めて話ができること、望んでいるピード感でハイクオリティの提案をしてもらえたことがTHE Hの強みだと思います。」

わずか3ヶ月でweiboのフォロワー数1.6万人超を達成

THE Hと本プロジェクトを実施して、変化したことは何でしょうか。

田畑様:
「わかりやすいのがweiboのフォロワー数ですね。アカウントを設立当時にはわずかだったフォロワーが、わずか3ヶ月で1.6万人を超えるまでになりました。 また、複数のメディアを使ってサイクルをまわすTHE Hの設計がすばらしいので、今後の動きも楽しみです。 」

代表 濱:
「このサイクルは、田畑さんだからこそ可能なデザインなのですよ。
weiboに関しては、単にフォロワーを増やすだけでなく、田畑さんのゲームファンに訴求する手法を用いています。中国のSNSのアルゴリズムを徹底的に理解し、コンテンツを届けたいフォロワーの属性を見極める。これはTHE Hだからこそできる独自の手法だと自負しています。
また、ゲームクリエイターと経営者の2つの顔を持つ方は他にいないので、田畑さんが発信できるコンテンツの多さは無限大です。私自身もプロジェクトが楽しくて仕方がないです。」

最近も、毎週1000人単位でフォロワーが増えているようですね。

田畑様:
「わかりやすいのがweiboのフォロワー数ですね。アカウントを設立当時にはわずかだったフォロワーが、わずか3ヶ月で1.6万人を超えるまでになりました。 また、複数のメディアを使ってサイクルをまわすTHE Hの設計がすばらしいので、今後の動きも楽しみです。 」

代表 濱:
「プロジェクトを通じて感じたのは、田畑さんの圧倒的なカリスマ性。誰もが「この人について行きたい」と思ってしまうだろうな、と第一印象で感じました。
特にバズった投稿は、『The Pegasus Dream Tour』のアンバサダーを務める羽生結弦選手の動画。パラリンピックの開催延期に伴ってゲームのリリースも後ろ倒しになりましたが、ここぞ、というときに羽生選手に協賛してもらえるのは田畑さんのカリスマ性があってこそだと再認識しました。」

田畑様:
「ありがとうございます。羽生選手のアンバサダー就任は、私の発案からオファーして実現したものです。彼自身ゲーム好きで私のことを知ってくれていたので、「ぜひ協力したい」と快諾いただきました。」

代表 濱:
「weiboに投稿した羽生選手の動画は15万回以上も再生されて、本当に人気でしたよね!実は『The Pegasus Dream Tour』は中国では遊べないのですが、中国の方はわざわざ海外のアカウントを作って海外のプラットフォームでゲームを楽しんでいるそうですよ。そのくらい大きな反響がありました。」

THE Hとのプロジェクトで「ゲームでゲーム以上の力」を世界へ届ける

weiboでの発信が本当に効果的だったのですね。フォロワー増加以外に、反響や新たな気づきといったものはありましたか。

田畑様:
「まだ準備段階なので、具体的な反響はこれからだと思っています。しばらくは、フォロワーの増加に注力していきたいです。」

代表 濱:
「田畑さんはビックタイトル以外でもニュースになれる方なので、今後も発信を支えていきたいです。特に「ゲームにはゲーム以上の力がある」という田畑さんの言葉には私自身、大変感銘を受けたのです。私もゲームが大好きなので、ゲームを使ってゲーム以上の価値を生み出せる田畑さんを中国で広めることに、とてもワクワクしています。 話は少し変わりますが、先日、慶応義塾大学経済学部でオンラインの講義をされていましたよね。将来的に、たとえば北京大学で講演を行って、ゲームクリエイターを育成するのも面白いのでは、と個人的に思っています。」

田畑様:
「ゲームクリエイターを育てることに関心はありますね。機会があれば検討しますよ。」

一般的に、ゲームはエンタメのイメージが強いように思います。しかし、JP GAMESではゲームで社会貢献をするビジョンをお持ちだとお伺いしました。

田畑様:
「これまでは、『FINAL FANTASY XV』の制作に携わるなど、ゲームクリエイターとして活動してきましたが、現在は異業種と連携した事業もしています。ゲームをツールとして使い、ゲーム業界の外に視野を広げて物事を考え、動いているところです。」

代表 濱:
「田畑さんは「世界」を作る方だと思います。私の想像を超えたスケールで、ゲームに異業種の要素を織り交ぜてしまうので、業界の境目がないコンテンツ制作はまさに世界の創造だなと。抽象化すれば、田畑さんは物事を線ではなく円で捉えているのだと感じます。 」

田畑様:
「ゲームで異業種とコラボするのはたしかに多角的なプロジェクトですし、円という表現は的確ですね。『The Pegasus Dream Tour』はパラリンピックがテーマですが、アーティストのコンサートを開催するなど、スポーツ以外の要素もふんだんに盛り込んでいて、色々なコミュニティから円のように人が集まってくるのが特徴です。」

今後の展望についてお聞かせください

田畑様:
「中国のゲームファンにJP GAMESのゲームを早く届けたいと思います。また、2022~2023年頃にはANAホールディングス株式会社と連携して『Sky Whale』を提供予定です。こちらは、新型コロナウイルスの影響でビジネスが変化する中、新しいバーチャル旅行を体験できるサービスとなっています。これまでのゲーム開発や『The Pegasus Dream Tour』で培った技術やノウハウを応用して、今後もゲームと異業種を掛け合わせた新しいビジネスを展開していきたいです。」

 

インタビュー:萩原ひかる  画像提供:JP GAMES

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